不妊症その3 | (潜在性)高プロラクチン血症
不妊症の原因には様々ありますが、来店されるお客様の中には高プロラクチン血症、あるいは潜在性プロラクチン血症と診断されていらっしゃる方もそれなりにおられます。
(潜在性)高プロラクチン血症とは
・プロラクチンは脳下垂体から分泌されるホルモンの一種ですが、妊娠していない状態で血中濃度が30ng/ml以上を示すと高プロラクチン血症と診断されます。また普段プロラクチンの値が正常値であってもTRHで脳下垂体を刺激(TRH負荷テスト)することにより15分で70ng/ml以上になる場合は潜在性プロラクチン血症と判断されます。本来プロラクチンは出産後多く分泌され、例えば乳腺を発達させて母乳を出させたり、産後の体力回復とともに子宮を収縮させたり、産後すぐに妊娠しないように排卵を抑えるなどの働きをします。産後のホルモンなのです。
どんな症状・・・
妊娠出産はしていないにも関わらず母乳が出たりします。また生理不順や排卵されにくい(無排卵月経など)、着床しにくい状況になります。基礎体温は一相性であったり、低温期が長い、低温期から高温期の上昇が3日以上、あるいはギザギサで不安定であったりします。
その原因は・・・
- 薬剤による影響・・・ピルや胃潰瘍治療薬、抗うつ剤、降圧剤の化学薬品の服用によりプロラクチンが高値になることがあります。
- 自律神経やストレスが原因・・・過度なストレスによりホルモンバランスが乱れ、プロラクチンの数値が上がることがあります。
- 腫瘍による影響・・・脳下垂体に腫瘍が出来ることによる腫瘍性高プロラクチン血症がある。
- その他・・・甲状腺機能低下や腎機能低下、副腎の病変、結核病などによる場合もあります。
一般的な治療は
プロラクチンを抑えるためにパーロデル、テルロンなどドパミン製剤(ドパミンアゴニスト)による治療が一般的です。
高プロラクチン血症に漢方薬
高プロラクチン血症が腫瘍による場合はそれに対する治療が必要になります。また薬剤による場合は服用を中止し他の薬剤に変更することが必要になります。機能的に問題のない高プロラクチン血症には程度にもよりますが改善の余地があり妊娠の可能性がありますので諦めずにご相談ください。気血の不足を補ったり、ストレスに対応する漢方薬など是非お勧めいします。
症状別一覧の不妊症ページはこちら
平蔵の寺子屋通信一覧のページへ