不妊症その1 | 基礎体温(BBT:basal body temperature)
赤ちゃんが欲しい
妊娠を希望しながらも子宝に恵まれないそのようなカップルが増えています。妊娠の確率を高めるためにはまず基礎体温がどのようになっているか掴むことが大切です。以下に様々な基礎体温のパターンを示し、予測される体調と対処方法など示しました。参考にしてください。ただしあくまでも目安であって、確定するものではありません。また以下のパターンが複合的に重なっている場合も多くあり、複雑です。生理周期は生理期、卵胞期、排卵期、黄体期と四つに分類されます。測定は5時間以上の睡眠をとった状態でできれば同じ時間帯で朝目覚めたときに舌下に婦人体温計を入れて測定してください。
標準的なタイプ
- 高温期が二週間前後維持されている
- 低温期と高温期の温度差が0.3°~0.5°程である
- 低温期から高温期への移行が1日~2日程である
36.7°に赤いライン(高温相の平均)があり、ラインより上が高温期、下が低温期というわけではなく、体温は人それぞれです。あくまでも目安でラインに縛られる必要はありません。
低温期が長いタイプ
不妊症で比較的多く見受けられるタイプの一つです。卵子の成熟が遅く、排卵するのに時間がかかるタイプです。病院では黄体機能不全や排卵障害と診断されます。
低温期から高温期への移行がゆっくりタイプ
低温期から高温期への移行に3日以上かかる場合は排卵に時間がかかっている可能性があります。体質に合わせた排卵を助ける漢方薬が必要です。
高温期が安定しないタイプ
高温期が低かったり、持ちこたえられずに何度か下がってしまうタイプです。排卵後の黄体ホルモンがうまく働いていない、黄体機能不全の可能性があります。また気の滞りや気虚、瘀血の傾向も考えられます。
全体的に体温が低い
低温期と高温期が二相に分かれていても全体的に体温が低く、低温期が36度前後、高温期も36.5度程度。冷え性体質で流産しやすい傾向にあります。
生理周期が短い
排卵が早く、卵胞の成熟が充分でない可能性があります。卵胞の成長を助ける漢方薬が必要になります。
ギザギサタイプ
何となく低温期、高温期はあるものの全体的に体温の波動が多く、ギザギザとしている。生活上の過度なストレスが原因となっているケースが見受けられます。中医学的には肝気が滞ってる状態です。高プロラクチン血症(PRL)や月経前症候群(PMS)、自律神経失調などの疾患がベースにある可能性があります。
一相性で高温期がないタイプ
通常排卵後に卵胞から黄体ホルモンが分泌され、高温期へ移行します。一相タイプの場合は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や卵巣機能不全(POF)などの理由から排卵がない可能性があります。体質に合わせた排卵を起こす漢方薬が必要です。
平蔵の寺子屋通信一覧のページへ