腰痛その4 | 骨粗鬆症
“最近年のせいか背中が曲がって、身長が縮んでしまったよ”とよく聞かれますが、背中が曲がってしまうそもそもの原因の多くは骨粗鬆症(こつそしょうしょう:osteoporosis)にあります。脊椎を始め骨や関節はからだを支える大切な働きを担っています。骨粗鬆症自体は痛みを伴いませんが、腰椎圧迫骨折などにより腰痛などの原因になります。骨折して初めて骨粗鬆症と気が付く場合もあります。漢方で早めの手当てが肝心です。
女性は特に気を付けたい骨粗鬆症とは・・・
- 症状・・・骨の強度が減少し骨折しやすい状態を骨粗鬆症と言います。実際には骨密度が減ってスカスカになりまた骨の質自体も劣化し状態です。背骨(脊椎圧迫骨折)や股間(大腿骨頸部骨折)、手首などを骨折することにより痛みを伴い歩行が困難になり痴呆へと経過をたどるケースがあります。
- 原因・・・骨はカルシウムなどで形成されながら、からだの必要に応じて溶け出て(骨吸収)います。この骨形成と骨吸収の需要と供給のバランスが崩れることにより骨粗鬆症となります。一番の原因は加齢そして女性ホルモンの減少です。またアルコールやたばこの摂取をしている方は骨折率が高くなるデータもあります。
骨粗鬆症の予防ポイント
- 食事・・・・なんといっても食事が大切です。カルシウムを中心にバランス良く摂取することを心掛けましょう。またカップめんやスナックなどのインスタント食品はカルシウムの吸収を妨げますのでできるだけ控えましょう。
- 運動・・・・ある程度の運動は負荷がかかり骨の強化に有効です。また骨を支える筋力もアップしますので骨折や転倒の予防にもなるでしょう。
- 日光浴・・・カルシウムの吸着を助けるビタミンDは日光浴することにより作られます。運動も兼ねて外に出て直接日光に浴びることをお勧めいたします。
- ストレスを溜めないように・・・過剰なストレスは副腎(グルココルチコイド)を刺激し、副腎は腸からのカルシウムの吸収を妨げてしまい、尿として排泄されてしまいます。またストレスは女性ホルモン(エストロゲン)の分泌も抑え、甲状腺からのカルシトニンの分泌も減ります。また腎臓での活性型ビタミンDの分泌も減ってしまいます。ストレスは溜めないことです。
骨粗鬆症で寝たきりにならないように漢方薬
中医学では“腎は骨を司る”と言われ腎と骨の関係性を謳っています。つまり腎の衰えが骨を脆弱化させる要因のひとつと言うことです。そもそも五臓六腑の腎は生命エネルギーの源であり他の臓腑にとっても重要な臓なのです。年齢的に足腰が弱ったり、元来胃腸が弱く筋骨を養えないなど、腎を補う補腎薬や体質に合った漢方薬がお勧めです。骨粗鬆症やそれによる腰痛などの痛みでお悩みの方はご相談ください。
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