頸椎椎間板ヘルニアによる手のしびれと痛み
桜前線が北上中です。
ある40代の男性(東京都西東京市在住)が頸椎椎間板ヘルニアでご相談にいらっしゃいました。患部をかばっいながらゆっくりとした足取りで、肩から指先まで上肢に痛みしびれを感じ、表情からしても辛そうでした。早速漢方薬をお飲み頂き、一か月後のご来店時には動きはスムースになり、しびれはほとんど感じないと言ってくださいました。
漢方薬は柴胡、桂皮、薏苡仁(よくいにん)、麻黄などを含む処方を複数お飲み頂きました。そもそも症状は脊柱を構成する椎骨と椎骨の間にある椎間板が突出し神経を圧迫しているわけですが、薬方から判断して症状は患部の血液の滞りや炎症、周辺組織の凝りによるもので、漢方の働きと生体の治癒力が相まって快方に向かったのだと思われます。
症状の寒熱による変化、また筋肉の張りなど体質の見極めが大切です。お悩みの方はご相談ください。タウン通信記載記事
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椎間板ヘルニアとは・・・
そもそもヘルニア(hernia)とは、あるべき場所からずれていることを意味します。生理的なものでは鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニア、食道裂孔ヘルニアなどがあります。
- 症状・・・一般的に背骨と言われる脊椎のクッション役が椎間板になります。その椎間板がずれてしまったことにより、脊髄神経を圧迫し痛みと痺れに悩まされます。右図からわかるように脊椎はS字カーブ(生理的湾曲)を描いていますが、それはからだの重さが背骨への衝撃を分散させるためです。しかしながら前面に湾曲している頸椎と腰椎は特に負担となり、椎間板ヘルニアになりやすいのです。
- 西洋医学的治療法・・・温存療法(ブロック注射、鎮痛剤などの薬物療法など)と外科的な治療法があります。
椎間板ヘルニアの自覚症状に漢方薬をお勧めします
漢方薬の服用によってヘルニアが戻ることはありませんが、痛みやしびれなどの自覚症状を軽減、消失するケースは多くあります。症状と体質に合った漢方薬が患部の炎症を鎮め、本人の持っている恒常性維持の働きも相まって改善するものと考えます。漢方薬の不思議です。頸椎あるいは腰椎椎間板ヘルニアでお悩みの方には漢方薬をお勧めいたします。
- 患部の炎症の程度・・・・頸椎あるいは腰椎いずれにしても炎症の程度に合わせてお飲み頂く事が大切です。炎症がそれ程でない場合や慢性化している場合は温めたことにより快方に向かう可能性もあり得ます。
- 体質的要素・・・中医学で言う腎陰虚つまり足腰が弱くほてりがある、あるいは腎陽虚つまり冷え性でエネルギー不足である、また胃腸の具合や精神的なストレスなども考え合わせ体質に合った内容であることも大切です。
漢方薬の服用と同時に養生が大切です
日頃より漢方薬をお飲み頂いているお客様には養生の大切さを強調しています。特に椎間板ヘルニアの症状の場合は患部の炎症の具合によって運動の取り入れ方が違ってくるでしょう。基本的には痛くない範囲でストレッチやウォーキング、水中歩行をお勧めいたします。またコルセットの装着も有効ですが、改善の度合いに応じて付けずにいることがより良いこともあります。骨格はからだを支え、骨格筋は骨格を支えます。漢方薬の服用と同時に筋力強化が再発防止になります。椎間板ヘルニアでお悩みの方はご相談ください。
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