秋から冬場にかけて顔のほてりと動悸
秋の気配が色濃くなってきました。
ある50代の女性よりほてり、のぼせの相談を受けました。外気と室内との温度差に敏感で特に秋から冬場にかけて顔のほてりと動悸、汗が悩みの種でした。早速漢方薬をお飲み頂きましたところ症状が軽減し現在も継続服用頂いております。この方の漢方には柴胡、山梔子、釣藤鈎(ちょうとうこう)などを含む薬方を複数組み合わせておりますが、内容から判断して症状は「気の上衝」によるものと考えられます。本来気は上から下へ流れるものですが、感情的になりやすかったりストレスが募ると気の上衝と同時に末梢の血管が拡張しほてりが強く出るようです。また上焦に熱感を帯びるだけでなく足元が冷えることもありえます。よく冷え症か否かに二分されますが、寒熱が複合的に混じり合っているケースが多く、それぞれの体質に合わせてお飲み頂く事が大切です。
お悩みの方は漢方薬の服用をお勧めいたします。
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ほてりとは
ほてりには火照り、熱りなどの漢字が当てられますが、最近ではよくホットフラッシュとも言われます。緊張する場面で急にほてったり、温度の低い所から暖かい部屋や電車に移動してほてる場合もあるでしょう。生理的には末梢血管の拡張によるものです。原因としてはは更年期のホルモンの失調(更年期障害)や自律神経失調が考えられます。
更年期障害に対する西洋医学的治療
ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)が一般的です。不足したエストロゲンを補うことにより症状を軽減します。閉経してから数年経っていて不正出血が煩わしい方はプロゲステロンも連続して併用する方法もあります。プロゲステロンを併用することによって子宮内膜の増殖を防いで子宮体癌(子宮内膜癌)を予防する目的もあります。
ほてりと瘀血
東洋医学ではよく瘀血(おけつ)と言われます。いわゆる血液ドロドロの鬱血状態です。食生活の乱れや疲労、新陳代謝の低下などが挙げられるでしょう。また末梢血管の拡張も瘀血症状と言えます。首から上の末梢血管が拡張すればほてりとして現れます。
ほてりのお悩みは漢方薬で解消しましょう
上記のコラムにありますように人を冷え性か否か、あるいは瘀血か否かと二分しやすいですが、グラデーションのように混在しているケースが多くあります。その意味でほてり、汗、動悸などの症状と体質も考え合わせた漢方薬の選薬が大切なのです。不快なほてりでお悩みの方はご相談ください。
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