漢方コラム「通信」

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理由もなく涙ぐむ男性

春、爛漫。気分も軽やかといきたいものですが、精神的に不安定であったり、うつ症状に悩む方も多くいらっしゃいます。
 
ある40代の男性は、顔つきもしっかりしており、何の問題もなさそうに見えましたが、お話を伺うと、「時折、突然理由もなく大泣きしてしまい、仕事が手につかなくなる」とのこと。そのとき、休職されていました。早速漢方薬をお飲みいただきました。本剤は、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)を基本に、厚朴と蘇葉(そよう)を加えたものです。厚朴は緊張をゆるめ、蘇葉は気分を明るくするため、不安神経症や元気のないうつ症状などに用いられます。その後、この方は、涙ぐむことはあるものの、仕事にも前向きに取り組み、立ち直ることができました。こういった場合、ただ漢方を飲むだけでなく、カウンセリングも症状改善の突破口となります。
  
戦国の武将として知られている加藤清正が、篭城している兵士の士気を高めるために用いたものの一つとされています。
いつの時代にも必要とされる漢方です。お困りの方には選択枝の一つとして是非お勧めいたします。

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