漢方コラム「通信」

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せきとたんで困っていた肺気腫の男性

年の瀬も押し迫ってまいりました。

 ある60代の肺気腫の男性が来店されました。肺気腫は男性に多くみられる症状ですが、長年の喫煙や大気汚染など主に外的要因により起こると考えられています。

 この方の場合、朝、起きがけに咳を繰り返し、きまって黄色い痰が多く出て困っておられました。そこで、小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)をお飲みいただいたところ、しばらくして症状は落ち着き、安定した様子となりました。

 本方は、傷寒論によると小陽病を代表する処方で、柴胡(さいこ)を主薬とし、黄(おうごん)とともに胸部の炎症を取るように配合されております。また、桔梗、石膏を加え、のどにも良いものです。

 肺気腫は、肺内のガス交換が悪く、とても苦しい病気です。また、気管支炎などの感染を併発することもあります。今回のようなケースでは、症状、体質によっては、清肺湯(せいはいとう)やほかの麻黄剤なども考えられます。選薬には専門家の見立てが大切です。お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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