リンパ節切除による足の浮腫み
春の盛りを迎えております。
ある40代の女性です。足がむくみ、つりといって来店されました。よくよく伺うと、ガンを患い、数ヶ月前に卵巣、リンパ節切除したとのことです。この方の場合ある程度、血流が悪いことも考えられますが、同時に水分代謝を良くすることが最も大切でした。
そこで、早速体質に合った漢方薬をお飲みいただきました。さて、その翌月、随分楽になったとみえて、表情も明るく、気持ちも前向きになっていました。この処方は、白朮(びゃくじゅつ)、猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)といった生薬が主となり、胃腸を整へ、体全体の水分代謝を良くするのです。陽証の方を中心に、むくみだけでなく、下痢やめまい、頭痛など、用途は多岐に及びます。西洋薬の利尿剤には、腎臓における尿量を増やす増やす働きがありますが、漢方の場合、体全体に溜まっている余分な水分を血管に取り込むものと考えられます。このような方の場合、リンパ液の流れを良くするマッサージも欠かせませんが、万能ツボとして知られている足の三里を刺激することも症状改善の助けになることでしょう。お悩みの方は、ぜひ、ご相談下さい。・・東興通信コラム・・
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リンパ系の仕組み
血液の流れる管は血管(動脈、静脈)であり、リンパ液の流れる管はリンパ管です。血管同様に体内を網の目の様に張り巡らされています。血液は心臓をスタートとすれば動脈から毛細血管を経由し静脈血となり心臓へ戻ります。一方リンパ液は体内の老廃物をくみ取り上へ上へと上がっていきます。最終的には鎖骨上窩節から静脈角と言うことろで静脈と合流します。
リンパマッサージ
血液は主に心臓の押し出す力により循環しています。一方リンパ液の流れは緩やかでリンパ管内の弁と周りの筋肉で自然に上へ上へと流れます。循環しているのではなく下から上への一方通行です。上記のコラムにあるように癌などの手術によりリンパ液の流れが滞るケースあります。リンパ液の流れを外部からマッサージで押し上げることは症状改善の一助となります。
*リンパマッサージは溜まったリンパ液の排出(drainage)からリンパドレナージあるいはリンパトレナージュとも言われ、専門の施術者をドレナジスト( lymph drainagist )と呼ばれています。
足のむくみに漢方薬
浮腫みに対して西洋薬では利尿薬が処方されます。漢方薬では尿の強制排出ではなく、細胞に溜まった組織液を血管やリンパ管に取り込み、結果的に症状改善へ至らしめます。ひとり一人の体質に合った漢方薬はリンパ浮腫にも効果的です。お悩みの方はご相談ください。
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