専門用語
※当サイトにて用いられる漢方用語です。参考にしてください(あいうえお順)。
異病同治(いびょうどうち)
一見違う症状に対して同じ治療方法を取ることです。
引経薬(いんけいやく)
効果を特定の経絡、方向へ誘導する目的で使われる生薬のことです。
陰陽(いんよう)
この概念は場所によって色々あります。例えば体表が陽で内臓が陰、上半身を陽とし、下半身を陰。気を陽として血を陰などです。また漢方の流派によって陰陽の使い方にも違いがあります。たとえば後世派、中医学では陰虚といえば陰が虚していることをいい、古方派では陰証の虚証だということになります。
衛気(えき)
外部からの邪を防衛する気の力のことです。これに逆らえば病気となり、増せば癒されると考えます。
営気(えいき)
血液や経脈を通して運ばれる体を潤すエネルギーを言います。
往来寒熱
少陽病期に観る発熱状態で、朝は平熱だが昼から寒気、夕方から発熱します。
お血(おけつ)
うっ帯した血液の状態のことです。
肝鬱(かんうつ)
ストレスがたまり気分がふさがっている状態です。
肝血(かんけつ)
東洋医学における肝に貯蔵されている血のことです。
気
東洋医学独特の概念で気とは人体の構成と生命活動の最も基本となるものであり、人体の構成成分を陰陽に分けたときの陽の部分の代表です。
気虚(ききょ)
活発に活動できない、元気のない気の状態です。
胸脇苦満(きょうきょうくまん)
肋骨の下縁あたりが硬く抵抗感のある状態です。
虚実(きょじつ)
一般に虚とは体力の衰えた状態を言い、実とは体力の充実している状態を言います。ですが病気や体調不良に陥るとこの虚実が一変し、見た目あるいは普段の様子と必ずしも一致しなくなることがあります。例えばとても体力のない女性が虫垂炎になったとしましょう。炎症が起きている患部は炎症のために脹れあがり、発熱いたします。表面は虚であったとしても、お腹は実証ということになります。
五行(ごき゛ょう)
中国漢方の理論で自然界の相互関係を表します。大宇宙や人体の小宇宙を木(もく)火(か)土(ど)金(こん)水(すい)と五つの要素に分類します。
三陽三陰(さんようさんいん)
三陽は太陽、少陽、陽明 三陰は太陰、少陰、厥陰で傷寒論にそれぞれの病態について記されています。
証(しょう)
病気の状況を把握するための特殊な考え方をいいます。これを病証とよび、治療方針を決める際に重要な情報になります。
湿熱(しつねつ)
尿の減少を伴う熱を言います。
食毒(しょくどく)
消化器とりわけ腸内に溜まった老廃物(宿便)が一種の自家中毒症状になると考えます。、これが病気の治りを遅滞させると考えます。
手足煩熱(しゅそくはんねつ)
手足が暑くなり冬場でも布団から出して寝るような状態です。
四診(ししん)
東洋医学における4つの診断法。 望診、聞診、問診、切診の事です。
辛温解表薬(しんおんかいひょうやく)
温めながら解表する事です。
心下痞硬(しんかひこう)
鳩尾(みぞおち、胸骨の剣状突起の下部)が板のように堅く痞える状態です。
辛涼解表薬(しんりょうかいひょうやく)
冷やしながら解表する事です。
腎精(じんせい)
東洋医学における腎に貯蔵されている清気のことです。
水毒(すいどく)
水の害、分かりやすい所では鼻水です。それから痰のようなものも水毒です。
帯下(たいげ)
子宮からの分泌物のことで“こしけ”とも言います。
痰飲(たんいん)
水分代謝の異常、水の滞りによる異常のことを指します。つまりは水毒のことです。
中風(ちゅうふう)
「金匱要略」では脳出血や半身不随の状態を意味し、「傷寒論」では感冒のような熱症状を意味します。
潮熱(ちょうねつ)
陽明病期に観る、じわじわとした持続的な発汗、発熱状態です。
同病異治(どうびょういち)
同じ病気や症状に対して治療方法が異なることです。
呑気症(どんきしょう)
唾液を飲み込むときに空気も一緒に飲み込んでしまうために食道や咽頭部に異物感を感じたり、ゲップが多く出たりします。ストレスや鬱傾向の方が陥りやすい症状です。
頭冒(ずぼう)
頭に何かかぶさっている重い感じのことです。
梅核気(ばいかくき)
喉に何かひっかかっている感じで、神経症によくみられる症状の一つです。
八網弁証(はっこうべんしょう)
陰陽、表裏、寒熱、虚実の8項目で病態を把握するやり方です。
煩躁(はんそう)
煩も躁ももだえ苦しむ状態を意味します。
煩熱(はんねつ)
手足の裏がほてり、冬でも布団から足を出すようなわずらわしい熱感のことです。
発表剤
体表から病邪を汗によって除く薬のこと(桂枝湯、葛根湯、麻黄湯など)です。
半表半裏(はんぴょうはんり)
表証でもなく裏証でもない中間の証のことをいう少陽病のときに半表半裏の証をあらわします。
表証
表とは体表を意味し、この部分に現れる症状を表証と言います。
不仁(ふじん)
知覚の麻痺を意味します。
腹中雷鳴(ふくちゅうらいめい)
お腹がゴロゴロなることです。
奔豚(ほんとん)
下っ腹から上に気が激しく突き上げてくることを言い、ヒステリー、神経症にみられる症状です。
瞑眩(めんげん)
薬効によって一時的に起こる変動で、これによって病毒が速やかに去ると考えます。私自身臨床でほとんど経験したことはありません。
裏寒(りかん)
裏が冷えている状態で、下痢をしたり、お腹が痛んだり、うすい唾液が口にたまるなどの状態です。
裏急後重(りきゅうこうじゅう)
頻繁に便意を催すが、排便は少ない いわゆる渋り腹の状態です。
六陳(りくちん)
生薬には伝統的に古いもの程 質が高いとするものがあり、呉茱萸、橘皮、狼毒、半夏、枳実、麻黄の6種類あります。
裏実(りじつ)
裏が実している状態で腹部に弾力があり充実していたり、便秘の傾向があったりする陽明病の証です。
五味(味の働き)
五味は五臓に入り、黄帝内経素問によると「辛は散じ、酸は収め、甘は緩くし、苦は堅くし鹹は柔らかくする」とあります。
- 辛味
発散、滋潤、拡散作用があり、多くは気血のうっ滞などに用います。 - 酸味
収斂して固める作用があり、多くは虚汗、下痢などに用います。 - 甘味
補い緩和する作用があり、虚を補ったり、疼痛を緩和するために用います。 - 苦味
乾燥してしゃする作用があり、多くは熱証、湿証の改善に用います。 - 鹹味(かんみ)
しゃ下、堅いものを柔らかくする作用があり、便秘などに用います。
漢方生薬は勿論、一般食物の味によっては身体にある方向性を持って様々な働きをします。上記は体質や、病状によって取り方を考えなければならないこともあることを示しています。
五色
顔色や唇の色などを五色に分けて状態を判断することもあります。色だけでなくその他の情報と総合的に考えます。
- 青色
冷え性(寒証)、寒邪による影響が考えられます。 - 赤色
熱性疾患(熱証)の影響が考えられます。 - 黄色
胃腸虚弱(脾虚)の状態が考えられます。 - 白色
陽気の不足であったり、貧血症状の表れの場合があります。 - 黒色
腎虚やお血と関係すると考えます。