平蔵の寺子屋通信

血の生理代謝

血液は骨髄で作られ、体重のおよそ8%程を占めます。そのうち約45%赤血球、白血球、血小板などの有形成分で,残りが無形成分の血漿です。さらに血漿の約90%は水ですが、ここにタンパク質、糖質、脂質、電解質、無機質、酵素、ビタミン、ホルモンなどが含まれます

一方中医学(漢方薬)の血の概念には赤血球・白血球などの区別はなく、その生理代謝は生成、運搬、貯蔵の3段階に別けられ、五臓がそれぞれの働きを担っていると考えます。

●生成・・・血の生成の中心は脾と腎です。脾で食物を消化吸収し血の素を作り出します。
また腎が持っている精は骨を主り髄を生み出し、髄が血を生成します。また精が不足すると血が精に変化し補充します。このことから血と精の関係を精血同源と呼ばれます。
●循環・・・生成された血は心から血管(血脈)を通り全身に運搬されます。その後すべての血は肺に集まり、肺気の発散作用(宣発作用)を受け取ります。さらに肝の疏泄作用により、血脈の流れを維持します。
●貯蔵・・・肝は前述の循環の調整だけでなく貯蔵をも担い、全身の血液量を調節します。また肝に蔵する血は目や筋腱、爪、などの栄養に関与しており、肝血が不足するとこれらの部位に障害が現れることがあります。

肝・・・血を貯蔵する作用
心・・・血を送り出すポンプ作用
脾・・・食物から血の素を造る働き
肺・・・血に空気を取り入れる働き
腎・・・血を精にして貯蔵し、必要に応じて血に転化する働き

*これら五臓は西洋医学の臓器とは異なります。