平蔵の寺子屋通信

気血同病

ネルギッシュで精力的に物事を進める人を「血気盛んな人」と表現しますが、中医学では気と血の相互関係について「気は血の帥(すい)であり、血は気の母である」と言います。
●気は血の帥・・・気は血をコントロールしているという意味です。
●血は気の母である・・・母親が子を養うように、血が気を養うということです。
気と血は車の両輪みたいなもので、お互いに依存し合い気血同病と言います。つまり気と血が複合した病変と言えます。またこれを以下の四つの症候、気滞血瘀、気血両虚、気虚失血、気随血脱に分類できます。エ

●気滞血瘀・・・様々なストレスによる気の滞りが血管運動神経の失調を来たし、血流を悪化させます。気分が重苦しく、イライラして頭痛や女性の場合は生理痛などを強く感じることがあります。血府逐瘀湯、桃核承気湯などの理気活血剤を用います。
●気血両虚・・・気の流れ、血液の流れ共に不足し、気虚と血虚を併せ持った状態です。元気がなく顔色が悪く、めまいや動悸、息切れを感じることがあります。代表的な処方として十全大補湯があります。
●気虚失血・・・気の不足により生理の不正出血が続く状態があります。代表的な漢方薬として帰脾湯があげられます。
●気随血脱・・・「気は血に随いて脱す」つまり大量出血によって冷や汗、顔面蒼白、意識喪失となり救急処置を必要とする状態です。ですから通常薬局では遭遇しません。気付け薬として人参のみを煎じる独参湯が処方としてあります。