不妊症その6 | 免疫性不妊
免疫性不妊とは
本来免疫には外からのウイルスから身を守ったり、悪い細胞を除去する働きがあります。ところが歪みと言うべきでしょうか、免疫システムの誤作動が生じて自己抗体が自分自身の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患を生じることがあります。代表的疾患として膠原病があります。免疫性不妊とは聞きなれない言葉ですが、自己免疫疾患の一つで不妊症、不育症の原因となることがあります。女性の体内に入った精子や胎児が外敵と認識され、精子の運動率や授精能力が低下、あるいは流産を繰り返すと言う訳です。免疫性不妊には抗精子抗体、抗核抗体、抗リン脂質抗体、同種免疫不全があります。
- 抗精子抗体・・・精子は本来女性の体内では拒絶されないのですが異物と認識されてしまう現象です。ですから精子と卵子が出会えず受精に至りません。
- 抗核抗体(ANA)・・・受精卵や胎児の核を異物と認識して発育を妨げてしまう現象です。抗核抗体は他にも膠原病や慢性甲状腺炎、自己免疫性肝炎などで高値を示すことがあります。
- 抗リン脂質抗体・・・一般的には細胞内のリン脂質に反応して血栓を生じる状態です。妊娠の場合は受精卵が子宮内膜に着床することにより子宮内に血栓ができやすくなり流産してしまいます。
免疫性不妊の原因は
今のところ原因はわかっていません。
免疫性不妊に漢方薬
免疫性不妊だけのことではありませんが、不妊症に対して補腎薬を基本に活血薬を併用します。免疫性不妊であっても体質に合った漢方薬で妊娠に至るケースはたくさんあります。お悩みの方はご相談ください。
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