平蔵の寺子屋通信

悪性リンパ腫,白血病,多発性骨髄腫と漢方薬

血液はどこでつくられるのか・・・

私たちのからだの血液は血液細胞(赤血球、白血球、血小板)と血漿(タンパク質、ビタミン、ミネラル、ホルモンなど)からなりますが、血液細胞は骨の中にある骨髄の中で造血幹細胞から分化しつくられます。

悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫)とは・・・・・・・・・・・

白血球は顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)と単球、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)からなります。その中のリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)ががん化して、全身に張り巡らされているリンパ節などにがんができる病気です。
*リンパ節はリンパ管が集まる関所のような存在で、免疫の要と言えます。頸部リンパ節、腋窩リンパ節、そ径リンパ節などがある。

<治療方針>
放射線療法と化学療法が中心になります。悪性リンパ腫は放射線に反応しやすく治療効果が期待できますが、複数に散らばっている場合は適応されません。また化学療法としてはチョップ(CHOP)療法と分子標的薬があります。チョップ療法とはC(シクロホスファミド)とH(ドキソルビシン)とO(ビンクリスチン)とP(プレドニゾロン)と薬剤名の頭文字で、これら3種類の抗がん剤とステロイド剤を組み合わせて治療します。また分子標的薬としてはリツキシマブが挙げられます。

白血病とは・・・・・・・・・・・

誰もが知る白血病は血液のがんの代名詞のような存在です。血液の元となる造血幹細胞が分化する段階でがん化するのです。この白血病には骨髄系とリンパ系がありそれぞれ急性と慢性に分類されています。

造血幹細胞ががん化するのは急性白血病と同様で、3~5年の慢性期の間に異常な白血球が増えます。ただ自覚症状がないために健康診断をきっかけに判明する場合があります。慢性期→移行期→急性転化期へと移行します。

<治療方針>
急性白血病・・・骨髄性、リンパ性共に抗がん剤による治療が中心で、他に最近はがん細胞だけを攻撃する抗体医薬や分子標的薬があります。また造血幹細胞の移植をする場合もあります。
慢性白血病・・・治療方針は患者さんによって様々です。

多発性骨髄腫とは・・・・・・・・・・・

悪性リンパ腫や白血病と比べると患者数が少ないためにあまり知られていない病気ですが高齢者に多い為に今後増加する可能性も指摘されています。造血幹細胞が分化してB細胞になりその一部が形質細胞になり免疫グロブリンと言う抗体を産生するのですが、その形質細胞ががん化して異常な免疫グロブリン(Mタンパク)を作ってしまうのです。

<治療方針>
化学療法と移植が中心になります。また合併症の治療が必要な場合もあります。

吐気や口内炎、免疫力の低下には漢方薬

抗がん剤の副作用で一番耳にするのは吐き気や口内炎、食欲不振、だるさ、下痢便秘などです。また放射線療法の照射で口の渇き、粘膜のやけどなどが挙げられます。その際漢方薬を取り入れることにより症状を軽減させることが可能です。漢方薬でがんが治るとは言えませんが、QOLの改善、再発防止なども含めがん患者さんにお飲み頂ける漢方薬は様々あります。お悩みの方は是非ご相談ください。

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